2011/09/22 優しい人

どうしようもない男がいました。
その、どうしようもない男に、何故か、恋人ができました。



どうしようもない男はニートです。
仕事を一切せずに、親のお金で遊んでいました。





その状態を不安に思った彼女は、男に「働きなさい!」と、常々、言っていました。
彼女は、「私がこの人を働く気にさせるのよ!」と、使命感に燃えていました。
そして、その使命感で、恋人の関係を続けていました。





ある日、どうしようもない男が一人で散歩していると、中学生時代の友人が店の新規開店準備をしていました。
何の気無しに声をかけると、「今、人手が足りないんだ!手伝ってくれるかな?」と言われました。
暇だったから、手伝った所、まぐれにも、大活躍する事になりました!
そして、主力メンバーとして、その店で働く事になりました。
※こんな話は滅多にありません。






さて、彼女はどうしたか?



ニートだった頃と、会う頻度は変わらなかったにもかかわらず、
急に、元気を無くしてしまい、
遂には、男と別れてしまいました。









それから半年後、ニートに戻った男は、同じ女性と復縁しています。


以前と同じように、「仕事しなさい!」と、彼女は、どうしようもない男に言っていましたとさ。










この話は、現代のホラーですね………。